新パンダごはんの窓

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668年の歴史 能楽 ・・・能楽師梅若邸能舞台に立つ

以前から能というものに興味はあったが、難しくてきっと見ても分からないだろうという考えで、今まで能楽堂に行って能を見ることは無かった。
下北沢在住の日本画の友人のご近所にある、梅若万佐晴(まさはる)邸の能舞台で「能に触れてみよう」という催しがあると知り友人と参加した。(2月19日午前10時~12時)
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最初に観世流能楽師の梅若万佐晴さんが能の歴史・見方を講義して下さった。
先生がスラスラとご講義くださったので、その要点をメモに取ったが、字や言葉が間違っている場合もあるのでその点をご承知の上でお読みいただきたい。私の備忘録として書くものです。
(世田谷区能に親しむ会の方に写真撮影の了解を得て載せています。)

歴史と解説  室町時代に中国から音楽や軽業の芸能が伝わり、奈良地方の観阿弥が猿楽を始めたのが能の始まりだという。668年の歴史。今ではユネスコの世界遺産として認定されている。
観世流の謡曲には250番もあり、大まかに「現在能」(同じ時代の進行する話)と「無限能」(死者などの異次元のお話)がある。
正式には5番仕立てで能が行われ、脇能(神)・修羅物(男の主役)・カズラ物(女の主役)・狂状物・キリ能(動物)という順番である。その合間に狂言が行われる。
半能・・前はカットして見所だけ
袴能・・夏場熱い時に袴を付けて薄い衣装で行う
その他にバン囃子(鼓と)・素囃子(鼓と笛)・舞囃子(連ちょう)・仕舞(謡だけで行う)がある。
観方と心得
服装には制限は無い。ジーパンでもOK。
狂言は面白かったら、大いに笑ってほしい。
能の時は静かに、拍手はしないが演者が退出して幕が下りたら拍手してもよい。余韻を楽しんでほしい。
全部を見ようとしない・・・面・足・囃子方・言葉・つくり物(空想する)などどれかに注目する見方も良い。
               見る方によって色々変わる。同じものでもその時によって感じ方が違うし、同じものが出来ない。奥深いもの。
寝ても良い・・・これはありがい。

後日梅若様よりこのブログを見ていただいたというコメントを頂きました。
ありがたいことに、丁寧な訂正箇所のご指摘と解説までいただき感激いたしました。


歴史と解説  観阿弥が猿楽を始めた・・・観阿弥は既に猿楽を演じており、能はその後創り上げました。
         観世流の謡曲には250番・・・210番+新作能
         「無限能」・・・「夢幻能」
         カズラ能・・・鬘能
         狂状物・・・狂女物
         キリ能・・・キリ能(動物+鬼)
         半能・・・後半全部を演じます。
         袴能・・・紋付と袴で演じます。
 バン囃子・・・番囃子(謡と囃子のみで舞はありません。)
         素囃子・・・(囃子のみ)
         舞囃子・・・(舞と囃子で1曲の内の見所だけを演じます)
         連調・・・(同じ楽器が複数で演じます。)
         仕舞・・・(謡と舞のみで囃子は入りません。)

能舞台の解説→「付け柱」・・・「目付け柱」
           「松葉絵」・・・「松羽目」

以上が梅若様よりご指摘・ご解説いただいたことです。
         




日頃の実生活から・・
能の世界では礼儀に始まり礼に終わる。 我慢・挨拶・敬語・目標(先のことを考える)
能舞台(つくり)の解説・・・お約束ごと
能舞台には4本の柱(3間四方)がある。客から向って右手手前は「ワキ柱」(東)、左手手前は「」目付け柱(南)、後方右は「笛柱」(北)、後方左は「シテ柱」(西)という。東西南北はお約束ことであり、実際の建て方とは関係ない。
柱は面を付けて舞う演者にとって特に重要なもの。目付け柱の位置で舞台の端を知る。
舞台の板の向きで演者は舞台の位置が分かる。すり足の足の感覚が大切だそうだ。
舞台の下には響きを良くするために甕が置いてある。
後ろの松の絵は「松羽目」「鏡板」とも言い、松は神さまが下りて来る木だという。老松で描かれていて、右側側面には若竹が描かれている。
全てを細かく説明できないが、このつくりにはお約束と意味があって、それを理解して見ると内容が無限に広がる。ファンタジーの舞台なのだ。
謡を習う
実際「猩々」(ショオジョオ)の謡曲を謡ってみた。お腹から声を出して気持ちが良かった。猩々は揚子江に住む妖精。しごく簡単に言えば「妖精の酔っ払い」の話。簡単すぎるかな?

舞台に立って・・
多くの希望者と一緒に足袋を履いて舞台に上がり、すり足の練習と「猩々」の舞を習った。
能面
手にとって(紐をつける穴の位置だけ持ってよい)目の穴を覗いて見たがほとんど見えない。希望者のご夫人2人が能面を付けて歩いてみたが、不安定で動きがぎこちない。能面をつけるとちょっとした動きがとても目立ってしまう。
仕舞「猩々」梅若万佐晴さんの舞を見せていただく。謡は長谷川晴彦さん、梅若泰志さん。
お話の後に見せていただく舞は、動き一つ一つに重みを感じてまた興味が湧いた。

今回の企画は下記のポスターの内容のものであったが、梅若万佐晴さんの主催する「謡曲はじめの一歩」と「仕舞はじめの一歩」という初心者を対象とした講習会が2月25日~10回コースで限定10名で始まる。テキスト代別で10回で10,000円。
申し込み問い合わせは、梅若邸 03-3469-7251 世田谷区代田6-4-13
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by pandagohan | 2006-02-19 20:37 |