新パンダごはんの窓

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酒解け茶事 夏の茶懐石

9月に入ると夜の闇間に虫の声が涼やかに聞こえ、秋の気配を感じさせる。
ブログをきっかけに様々な出来事を徒然に書いていくうちに、自分の好みは常に日本の伝統や文化に向いているのだと感じる。
生きていくためには、食・住・衣・と日常の糧を得るための労働が必要。
その中に四季や自然の美しさを感じる心があれば、人は心優しくいられると思う。
人が言葉を話すように、自然の虫や花・木々・大地からの言葉を聞くことができるのであろうか・・
画家は目に見えない何かを絵の中に込めて伝えるのであろう。
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8月20日に季織亭2階のお茶室で、「酒解け茶事」と銘うった茶懐石が開かれ、参加しました。
私は4月に続いて2度目です。
亭主は季織亭おかみのKさん、客は茶道暦10年以上のMさんと美術エッセイストのOさんと私。
いつもですが、ここでお客としてご一緒する方は始めてお会いする方です。

 とうもろこしの味噌汁
 白米
向附 あいなめのさしみ 北海縞海老
※ここで最初のお酒が出る。(鳳凰美田) 汁とご飯のお代わり
椀物 冬瓜 おくら 神那鶏のつくね
※また別のお酒が出てくる。(磯松 純米吟醸)お料理をいただきながらお客同士でお酒を酌み交わす。
この時間に亭主は別の部屋で食事をします。
焼き物 鰻の白焼き
強肴 ゴーヤの梅肉和え
※ご飯がおひつに入って廻ってきます。全部食べずに最後に茶漬けにする分を残しておきます。
小吸い物 とろろ芋の叩いた物にじゅん菜の汁
以前はデミタスカップで出てきたが、夏場なので涼やかなクリスタルカットグラスに入って出てきた。
千鳥の盃 3種目のお酒が出てきます。(雪の茅舎 純米吟醸)
最初に主客に亭主から酒が注がれ、同じ盃で次客から亭主に酒が注がれて次々と客と亭主の間でお酒を酌み交わします。これを最低2周回します。
八寸 生のとうもろこし(北海道産ピュアホワイト) 鮭のとば
※八寸は四方のお皿の寸法。その皿に海の物山の物と載っていて、盃を酌み交わしながら一つづつ頂きます。
香の物 キュウリ セロリ なすの糠漬け
湯桶 玄米を焼いた香ばしいあられが浮いています。これを残しておいたご飯に掛けていただきます。
お客は器をなるべく柔らかい紙でお皿や椀を綺麗に拭い、残りくずはビニール袋に入れて持って帰ります。
最後はお膳の端に掛けておいた箸を音をさせて落とし、頂きましたの合図にします。
亭主はそれを聞いて片付けに来ます。

部屋を退出する前にお菓子が出てきます。
笹に包まれた蓬の麩饅頭(鉢の木)でした。写真は2枚目の下の方にあります。

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休憩が入って部屋の設えが変わります。「一期一會(会)」の掛け軸から「酔芙蓉の花いれ」に変わりました。
夏のお手前は炭で湯を沸かす炭手前だそうです。
炭と一緒に香も入れます。香合は琵琶の細工物でした。

お濃い茶お薄のお茶をいただきました。
お薄の茶碗は沖縄ガラスの器です。こういう器でお茶を頂けるのは夏らしい演出です。

茶の湯はお手前を拝見することによって、この茶室に集まる人々が一緒のリズムで呼吸を合わせるそうです。
日常ではない非日常を、心がこもった演出で過ごす贅沢な時間です。

茶道を長年やってらっしゃる方の動作や手の動き、手の置き方が美しくてとても印象に残りました。
by pandagohan | 2006-09-01 21:51 | ご馳走