新パンダごはんの窓

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8月の茶懐石 

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8月19日、相模大野にある京懐石りほうの茶室「直心庵」で季織亭の女将さんの茶道のお仲間とお弟子さんが集まってお茶事があり、私は娘の代理で急遽参加しました。
娘はこの春から茶道の師匠である女将さんに弟子入りしていますが、仕事の忙しさでまだ4回しか指導を受けていません。

この茶室はビルの7階最上階にあって庭園付きです。
ここで出されるお料理は、りほうの板前さんが別の間で準備してくれています。
お道具も全てこちらにあるものが使えます。
この日のテーマは「七夕」。旧暦の七夕だったからそれに因んだお道具で揃えてくださっていました。

8畳のお茶室に6畳の控えの間。廊下で隔てているのでゆったりしています。
控えの間からお庭に出て待合で待っていると、亭主が垣根の扉を開けてお客を招き、一人ずつ手水で手と口をすすぎ入ります。
事前に役目を決めてあり、女将さんの師匠の娘さんのKさんが亭主役。女将さんが主客。次客はお弟子で男性のOさん、私、茶道暦が長い若い女性のNさんの順に座りました。
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ご飯・赤だしに茄子の汁物
向付は鱧の湯引きに梅あんが掛かっています。これはまだ箸を付けずに置いておいて、まずご飯と汁物をいただきます。
向付は最初のお酒が注がれて初めて頂きます。鱧の料理は夏の京料理の代表格。絶品のお味でした。
お酒は秋田の「春霞」(初呑みきり)。酒豪Nさんのお持たせです。
煮物椀は紅白の素麺が入っていました。
焼き物は鰆の塩焼き。
箸洗には梨の味がする実が涼やかなガラスの器に入っていました。
ちどりの盃(亭主と客が酌み交わす)の時に八寸が出され、海の物は子持ち昆布(とっても肉厚で上等なもの)と、山の物でおくらが載っています。
最後に香の物と湯桶が出てきて、残しておいたご飯に掛けて湯漬けで食べます。湯桶にはご飯のオコゲが入っていて、香ばしい風味がありました。
食後には炭手前があり、香が炊かれます。
夏らしい寒天のお菓子とお濃茶を頂き、一旦お庭に退出しました。
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部屋の設えが変わり準備が整うとまた一人ずつ手水ですすいで入室します。
また炭手前を拝見して干菓子が出され、お薄のお茶をいただきました。
私以外の人は全員お手前を披露しました。
写真のお茶碗は、ピンクのお着物がよく似合うNさんがお気に入りのお茶碗を持っていらしたもので、お茶をたててくださったものです。
上のピンク色のお茶碗は、イタリア人の人気女性陶芸家のクリスチャンヌ・ペロションさんの器。
下の銀色のは新進気鋭陶芸家 青木良太さんの器だそうです。
とてもインスピレーションを刺激する素敵な器でした。良い物を見せていただきました。





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京懐石「りほう」があるビルには幾つもの茶室があって、お茶に関わる方が見ればその素晴らしさに目を見張るでしょう。

私が見て素晴らしいと思ったのは襖絵の数々でした。
京都の日本画家 中村洋子さんが描かれたそうです。
上 は控えの間にあった猫の絵。大奥様が猫好きだそうです。

中 は4階の「芳月」にあった「安宅関」勧進帳の中の場面です。

下 は「りほう」のお店の店内にあったもの。季節によって変わるようです。

長々と書いてしまいました。お読み下さった方ありがとうございました。

茶懐石に参加したのは今回で3回目です。最初に書いた記事を読むと、いかに感動していたかがわかりますが、回を重ねるとだんだん感動が薄れてきているようです。(↓の「ご馳走」アイテムをクリックすると以前の記事が出てきます。)
季節のお料理を味わう素晴らしさと、道具や器を愛でる楽しさは変わりません。
作法も何もあったものではない私メをお仲間に加えてくださった茶道の先生方に感謝します。
by pandagohan | 2007-08-31 00:14 | ご馳走