新パンダごはんの窓

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南アルプス 鳳凰三山(その2)

その1からの続きです。
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観音岳でパノラマを楽しみ尾根伝いに赤ザレ沢の塔を経由して、地蔵岳の下まで行きました。
何処を見ても青い空をバックに素晴らしい景色に見ほれてしまいます。
地蔵岳は変わった岩山の塔になっていて「オベリスク」と言うそうです。
オベリスクには途中から梯子が付いていて登るのも可能だそうですが、ほとんどの人が近くまで行って断念するそうです。

ここから鳳凰小屋を経由して青木鉱泉まで下山します。
道の脇には花々が咲いていました。紫色の花はトリカブトです。
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歩いたコースについて説明しますと、13日青木鉱泉を9時に出発して、中道登山道を歩いて薬師岳に午後4時に着きました。休憩と食事をとりながら7時間の登りです。
幸いしたのは、曇っていたので日差しが強くなかったのと、途中道連れになった小学6年生の男の子とそのお母さんの親子が居たからです。
最初はお父さんも一緒でしたが、途中断念して青木鉱泉まで引き返してしまいました。
そのお母さんは山のベテランのようで、子供に歩き方を指導しながら疲れたと言う子を励ましながらドンドンリードして行きました。
こちらも元気なお母さんに励まされ先を歩く子供を見て、苦しくても頑張ろうと思いました。

14日下りはドンドコ沢登山道を歩きました。
鳳凰小屋から沢伝いに歩くので4つの滝を見ることができます。
しかし・・ザレ場が多く体力が必要な道でした。
鳳凰小屋を9時50分に出発して青木鉱泉に夕方5時に着きました。
途中から膝・股・腰が痛くて踏ん張りがきかないほどヘロヘロに疲れてしまい、スローペースでようよう下りてきました。
かなり危険と思われる道幅30センチ、横は谷底の斜面ばかりに、その夜は目をつむると斜面を転落するイメージばかり浮かんで寝付けませんでした。
歩きにくかったのには、もう一つ訳がありました。
山頂を歩いてた時、登山靴の底の部分が取れてしまったからです。
その前に先の部分がめくれてきて、紐で縛っていたのですが、ポーンと取れて下に落ちて行ったのを見た時にはビックリしました。
偶然に後ろを歩いていた50代の女の方が、持っていたテーピングで靴底をグルグル巻きにして歩けるようにしてくれました。
この方が言うには「靴底のゴムの接着は5年が限度で、貼り直しをしたほうが良いですよ。」
道々靴の様子を気にして下さり、残りのテープを全部下さいました。
お礼をしたかったのですが、何もないのでせめて御代を取っていただこうと思って言うと、「山では助けるのは当たり前。今度はあなたが他の人を助けてあげてください。」とかっこ良く言って颯爽と去って行ってしまいました。
私よりも年上の方のようでしたが、山のベテランの女の方2人連れでした。
こんな窮地を救って下さった方は、私にとって神様のようにありがたい方でした。
山では苦しくても頑張ることで自分の限界が試され、知らない人でも助け合い励ましあう人間の精神の美しさを感じます。
でもけっして素晴らしい人ばかりではありません。しかし山を愛する人はマナーを大切にして優しい心の持ち主が多いと思います。
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地蔵岳から40分下ったところに鳳凰小屋があります。
この水は沢から引いていて登山者が水場として利用できます。
泊った薬師小屋には水場が無く、その為2日分の水を持ってきました。一日1リットルは必要なので全部で2.5リットルの水をリュックに入れて登りました。
ここは冷たくて美味しい水がふんだんに流されていたので、顔を洗って空いた入れ物にも沢山水を入れました。

ビールやジュースなどもこの冷たい水で冷やされ売っていました。
薬師小屋でも冷蔵庫で冷やした缶ビールが1缶500円で売られていました。
汗をかいて疲れた体には最高のご褒美でした。



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ドンドコ沢の2番目の「白糸の滝」です。
ガスが掛かっていたので上のほうが霞んでいましたが、中々に落差が大きい滝でした。











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夕方5時に青木鉱泉に戻ってきました。
足は少しの下り坂でも股の筋肉に力が入らないほど疲労しています。
実は東京から車で来ていて青木鉱泉に車を駐車していたのですが、夫も義弟もやはり疲れ切っているので運転は無理のようでした。
急遽青木鉱泉の宿に泊れるか聞いたところ、泊れるというのでここで1泊することにしました。
一日の運動量でこれだけ体を酷使したことはありません。
年齢のせいもありますが、3年も山登りしていなかったブランクは大きいようです。
最後に温泉にゆっくり浸かって骨休め出来て良かったと思いました。

写真は、青木鉱泉の母屋(ここで食事をする)と朝食の写真です。

今回は2回に分けて徐々に編集しました。何度も見に来てくださった方、ありがとうございました。
もっと鮮明な写真を撮りたかったのですが、これが限界です。
偶然に素晴らしい天候に恵まれて、運が良かったと思います。
山は怖い!!天候が悪ければ遭難をするかもしれません。十分な装備と体力が必要でした。
次回登る時は新しい靴と山用のズボンと上下の合羽と懐中電灯を用意します。そしてテーピングもね。
by pandagohan | 2007-08-18 02:52 | お出かけ